「言語化」の大変さ
おかげ様で1月からメンバーが2人増え、これまでよりも毎日のお仕事が楽しくなったと実感する2ヶ月ほどでした。
未経験・新社会人ですので、専門知識だけでなく社会人スキル・パソコンスキルなども含めて覚えることが多い中で日々頑張ってくれています。
また、できて間もない事務所故に、体制やルール・マニュアルが完璧でないからこその大変さも味合わせてしまっている部分もあり、代表としては苦悩と試行錯誤の日々です。
その中で自分の思い描く方法・やり方・未来をメンバーにも理解してもらいたいために自分も今まで以上に言語化をすることが増えました。
合わせて、メンバーにあっても頭の中をとにかく言語化するように日々色んな問いかけをしています。
「頭では分かっている」「感覚的には理解している」というものを言語にすること、そして人に伝えることって本当に難しいと思っています。
でも、この「言語化」こそが当事務所にとって必要なことだと感じており、これはおそらく当事務所の評価基準の中で大きな要素に今後なっていくと思われます。
なぜ言語化のスキルを求めるのか
これについては大きく「お客様と、そしてメンバー間でのコミュニケーションの円滑化」というプラスの要素と「業務のブラックボックス化の防止」というマイナス防止の要素があると考えています。
それぞれについて簡単にまとめると
コミュニケーションの円滑化
私たちは組織としてお客様の事業発展を支援する使命があり、その中で各々が組織内で持つ役割があります。
単独で業務が完結することは基本的に少なく、それぞれが連携して業務を行う必要があります。
そのため、常にお互いが指示を出す・出される、依頼をする・受けるそれぞれの側に回ります。
そのため、指示や依頼事項はもちろん、認識や方向性のすり合わせ、疑問や不安の共有などお互いの思考や理解を言語化して相手に伝えなければ仕事はできません。
ここで言語化がうまくできないと思っていることが伝えられず、出来た成果物で初めて正誤を判断することになり、途中での軌道修正や問題点・課題の解決ができず、出来上がったものを修正したり、やり直したりを繰り返すことになります。
士業の業務は基本的に労働集約型のビジネスモデル故に、業務の時間をいかに効率化するかは重要な要素ですが、それは単に業務を速くやることのみではなく、修正などの「発生させなければゼロで済む」事項を発生させないかも重要になります。
その際に、価値観が多様な人が集まっている組織ほど、認識や方向性の相違が起きやすいので、事前にすり合わないと修正が必ずと言っていいほど発生します。
つまり、これは本来仕事を行う上で基本的なスキルであることはもちろんなのですが、多様性を重視する当事務所においては他よりも持っていないと仕事がうまく進められない要素になり得ると考えており、重要視しているわけです。
業務のブラックボックス化の防止
これも士業事務所における大きな課題の一つですが、これが発生する様々な要素のうちの一つに、「自分の考え方・やり方をアウトプットできないために溜め込む」ことが挙げられると考えています。(その他の要素はまた別の機会に書きたいと思います)
特に優秀なプレイヤーほど「自分がやった方が速い」と思うと人に教えず自分でやろうとしてしまいがちです。
これは「自分でやった場合のスピード」と「人にやってもらうために自分が掛ける時間・労力とそれを教えた場合の教わった側のスピード、そしてそれが自分の手を離れた後の負担減」を天秤に掛けて総合的に前者が有利と判断した際にこの思考が働きます。
これが相手に理解してもらうことができずいつまで経っても仕事が手を離れないような状況だとどうでしょうか?
つまり、どれだけ「自分が適切にアウトプットして教わった側を速くできるようにするか」でこの問題は大きく変わってくると考えています。
同時にこれは入社間もないメンバーの育成の課題にも繋がるものだとも言えるでしょう。
あえて時間が掛かるとしても
とはいえ、これをやると双方大変な思いはします…!
私の側もメンバーが単に指示した仕事が終わるだけでなく、その進め方を言語化できるようになるまで根気強くサポートする必要がありますし、メンバーの側も目の前の仕事をこなすだけで大変な状況に根拠や思考過程まできちんと理解しないといけないので最初からレベルの高いことをしているとは思います。
ただ、冒頭にも書いた通り、これが当事務所で成長していくためのベーススキルになるので、吸収力が最も高い最初のうちにきちんと身に付けてほしいと思っています。開業間もない段階から複数名採用の意図はここにもあって、教育に時間を掛けられるうちに掛けるようにし、来るべき時に十分なスキルを持って臨めるようにしていきたいと思っています。
頑張ってくれているメンバーが成長して年末を迎えられるように日々頑張っていきたいと思っておりますので、楽しみにして頂きたいと思います。