「これで(試験)勉強から解放されましたね」
税理士試験の最後の科目に合格した時、何名かの方からこのようなお言葉を頂きました。
確かに試験勉強から解放されたのは間違いなかったことや、税理士試験のために早朝に起きて仕事前に勉強し、仕事を定時に切り上げて夜まで勉強し、土日も勉強し…という生活が終わったのは事実です。
でも、試験が終わって数日はゆっくりしたものの、翌週にはふとした時に「あ、勉強しなきゃ」と思って勉強していた私からしたら、この言葉は決して「もう勉強しなくていい」という意味ではないと感じました。
生き残るためには学び続けなければいけない
試験勉強が終わって、税理士資格が取れても、今でも私は継続して色々な勉強をしています。
例をいくつか挙げると
・税制改正
・実務で触れた個別案件の法解釈
・これまで触れたことのない案件の法知識
・新しい分野の実務に必要な法知識
・事務所経営のための経営・マーケティング・労務などの知識
・お客様の経営支援のための周辺知識
・周辺士業やお客様に関連する業態の方の事例共有
これらを書籍、研修、講義、情報交換など様々な媒体から得るようにしています。
ですので「試験に合格したら」「学校を卒業したら」「研修などのカリキュラムが終わったら」勉強しなくていいという考え方では自分の望むステージまでいけないと私は考えています。
もちろんそれは自分が望む高いステージまで行きたい場合のみで、現状維持ないし後退を厭わないのであれば「勉強しなくていい」という判断もあり得るかもしれません。
しかし、時流の変化が著しい現代をして、勉強せずに、現状維持(という名の置いてけぼり)で果たして生き残っていけるのか?と言われると疑問と不安を抱くというのが私の考えです。
ですから、結局のところ生き残っていくため、お客様に必要とされるためには資格や学位という一つのゴールで学ぶことを終えてはいけないと思っています。
勉強を続けるために必要なもの
とはいえ、人によっては「勉強し続けるって大変そう」というお声も頂きますし、実際勉強を続けるためには時間、労力、お金、モチベーション、そして気力など色んなものが掛かることも事実です。
これを続けるためにはどうしたらいいのか?
どうすれば持続的に勉強をしたいと思えるのか?
これは個別で違うものですが、私にとって学びを続けたいと思う最も大きなモチベーションは「経営理念実現のために必要」だという意識でした。
これは独立前は「自分のビジョン達成のため」「自分の目指す将来像のため」でしたし、もう少し前は「自分がやりたいことをやれるようにするため」でした。
つまり、将来の目標からの逆算から必要性を感じてやっていたことが大きくあります。
人間は意義を求める生き物なので何のためにやっているか分からないものや、意味がないと思ってやっていることに対してモチベーションを持つことが出来ません。
なので、自分が勉強する意義・目的を持つことが必要だと思っています。
(とはいえ、この将来のビジョンを持ち、それに対して具体的な学びの目標(方法)を設定することは意外と難しい面もあるので、これはまた別の機会に書きたいと思います。)
同時に私自身は20代前半の時は将来のビジョンが明確でないこともあり、それほど勉強に対して肯定的ではありませんでした。
それは事務所のメンバーにも起こりうることなので、まずは「経営理念の実現と経営基本方針の実行」を目標として、それを実現するための学びをしていけるように動機付けしています。
そして、実行力を私自身が示せるように、事務所メンバーには私の勉強も含めた予定を公開しています。
私も、メンバーもみなそれぞれの頑張る姿を見て、負けじと努力する事務所にしていきたいと思っています。