開業して半年が経過しました
本日で開業して半年が経過しました。
「もう半年」という気持ちと「まだ半年」という気持ちが入り混じっていますが、毎日目まぐるしく移り変わるので、どちらかというと「まだ半年」という気持ちが強いですかね。
この半年の歩みとそれを経て今思っている素直な気持ちをまとめたいと思います。
1人で歩み始めた1ヶ月目
独立する際に知り合い・同僚などを引き連れて(引き抜いて?)独立する例も多い業界と聞きますが、私は縁故採用ゼロで一人でスタートしました。
引き抜きをしないのは独立前の事務所への義理立てもありますが、それ以上に「生え抜きの人が活躍できるフラットな組織を作りたい」という私の気持ちが何より強かったからでした。
そんなわけで一人で歩みだした私でしたが、たくさんの方が船出を祝って下さいました。
一人でオフィスに出社しても頂いた花々を見て、下さった方々のことを近く感じ、勇気を頂いたことを昨日のように思い出します。
2名の採用をした2ヶ月目
開業してちょうど1ヶ月経ったころ、事務所に一つの大きな変化が訪れました。
採用の応募でした。
当時大学4年生、すなわち未経験の新卒…周りに聞いたら「止めておいたら?」という声がほとんどだったのを覚えています。
少しの間考えて、それでも結論は変わらなかったので採用通知を出しました。
採用して良かったのか?それはメンバー本人も、そして周りの人も感じるところかもしれません。
だからかもしれませんが、私が「良い人が採用出来て嬉しい」っていうと、そのメンバーから「もっと良い人がいるはず」と返ってきます。
でも、私は「良い人が採用出来て嬉しい」って思っています。
何がって「事務所の経営理念に共感して」入ってきてくれた人だからです。
私と同じ方向を向けるというのは掛け替えのない重要な根っこなんです。
「知識・スキルは後からいくらでも付けられる。マインドは育てられる。でも、その人の根っこの価値観は変わらない」と思っている私からすれば、採用時に注視するのはスキルや経験、資格ではなく、その人の根っこだからです。
こうして事務所の創業メンバーが加わってくれました。
3年先を考える3ヶ月目
「3年先」というのはちょうどよい未来だと思っています。
1年後だと目の前過ぎる、5年先だと未知数すぎる、でも3年先はある程度先のことでありながらも今からある程度予測が立てられる、そんな距離感の未来だからです。
言い換えると「最も現実的に考えられる最も遠い未来」です。
だから、KPI面談ではメンバーに「3年後の未来を思い浮かべよう」という時間を設けますし、私自身も事務所の5か年計画の中で3年後を最もシビアに考えます。
3ヶ月目に入った事務所は確定申告シーズンを迎えます。
ここでメンバーが頑張ってくれたこと、そして予想以上に多くのお客様にご愛顧いただけたことから3年後の未来が夢物語ではなく、具体性を帯びた時期でもありました。
同時に私自身のスキルアップがひと段落するタイミングだったので、ここが事務所の分岐点になると感じ、ここまでに私自身のスキルアップはもちろんですが、メンバーの能力開発、継続的な人員の採用、更なる役務の開発そして事務所拡大…これらを連動させて行っていくことを決意しました。
また、この頃から恥じることなく事務所の理念や将来像を語れるようになってきたのか、少しずつですが、この理念に共感する人たちが近くに来てくれるようになりました。
理念だけではメシは食べられないかもしれないけれど、理念がなければ夢は叶わない、という言葉を実感するようにもなりました。
40歳を目前に事業承継を考え始めた4ヶ月目
「~歳になったらもうおじさんだよ」という言葉をあまり実感することなくこの歳まで来ました。
~の部分は25、30、33、35、40…など様々ですが、30超えたらとか、35になったらというのは本当によく聞きました。
さすがに20歳の頃と比べると体力が落ちたな…と感じることは無いわけではないですが、(元がそこまで運動能力高いわけではないのもあり)能力が落ちたということはあまり感じないまま現在に至っています。(知識を筆頭にむしろ「更に成長を続けている」と言われるくらいです。。)
それでも今39歳、今年の夏には40歳になります。
自分に実感が無くても数字の上では人生の折り返し地点が目の前に来ています。
そうなると働ける時間としてはあと20年、長くでも30年くらい?でしょうか。
税理士は「印鑑点く筋力さえあれば90歳でも出来る仕事だ」ということを受験予備校の先生に言われたことを覚えていますが、、、役務の質などを考えるとそこまで働く気はないかな…と思っています。(個人的には死ぬまで働きたいと思っていますが、、事務所のことを考えると後任に任せられるようにしなければいけないと感じています)
そうなったとき、事務所をどうしよう?今いるメンバーやお客様はどうしよう?と考えました。
開業してまだ4か月目だというのに次の心配しているのは順番が些か違うのも確かですが、、この事務所が将来どうなるか?はメンバーのモチベーションや育て方、そしてお客様へのコミットにも影響します。
だから、考えたのは私の事業承継の基本的な考え方「組織を遺す」ことです。
※この辺り話は別記しているのでよろしければこちらをご覧ください。
こう考えたとき、私は自分の後継を(できればメンバーの中から)選ぶことがミッションに加わりました。
さらに言えば、それをメンバーから…と考えた際、私の理念・知識・スキル・マインドを継いだメンバーを一人でも多く育てなければいけません。
こうして私の長期的に重要なミッションが定まったのです。
5人に年内にすることを誓った5ヶ月目
当事務所の採用は未経験者採用中心ということもあり、先行投資型なので、「人が足りなくなったら採用する」ではなく「人手が欲しくなるころに採用した人が育っている状態を作るように採用する」ようにしています。
ですので、そもそも最初の2人を採用した時点で、私一人で出来る量の仕事量しかなかったことも事実です。
これが、人手が足りない状態で採用をかけると目の前の仕事を片付けることにしか主眼がいかないので、メンバーへ求めることも専ら仕事を終わらせることになり、育成は後回しになります。
そうではないからこそ、メンバーの育成には多めの時間が割り振ることが出来ています。
しかし、この上なく有難いことに私が当初思ったよりも速いスピードでお客様が増えており、この頃には当初より早い段階で人を増やしておいた方がいいと感じるようになりました。
ですので、入社式が終わったあとしばらくして、新規の採用のことを考え始めました。
それが年内に私含めて5人にして年を明けることです。
(そうそう、たくさんの反響を頂いた入社式のこともよろしければご覧ください。)
こう思えたのはメンバーの頑張りや成長を感じることが出来たこと、このメンバーとなら私自身にもっと負荷をかけながらでも頑張っていけると私自身が思えたこと、そしてなによりこのメンバーなら後から入ってくれる人の先輩として、そして一緒に成長していける同僚となってくれると思ったからです。
今いるメンバーには本当に感謝しかありません。
そして、当事務所の理念に共感して頂ける取引先のみなさま、お客様にも常に感謝しています。
当事務所は繋がり、絆を大切にし、それらによって相互に成長発展する関係を築く事務所ですので、この繋がりや絆を生んでくださっている方々は自分たちのことのように愛しています。
創設、改善、発展、感謝、採用、決意の6ヶ月目
この1ヶ月は目まぐるしい変化がまたありました。
一つは、メンバーの一人が来年の税理士試験の受験をすることになったため、それを事務所としてもサポートするための「税理士試験応援」制度の創設施行です。
税理士資格こそ取れましたが、激務の中で試験に挑み続けた私は受験の大変さを身をもって痛感しています。
その負担を軽減できるように、資金面、時間面、マインド面でサポートするようにしました。
二つ目はMBAで学んだことを元にいくつかの制度を改善しました。
内部的な話なので詳細は割愛しますが、在宅勤務、そしていずれ目標とするフレックスへの移行を行える基盤を作っていきます。
三つ目はメンバーの知識向上やアウトプット力向上のために研修制度を発展させました。
インプットの研修を私が行うのを契機として、それをメンバーがアウトプットし、それを他のメンバーとディスカッションすることで一つのテーマで3度学ぶようにし勉強効率を上げるようにしました。
四つ目はご縁への感謝です。
この1ヶ月は他の月よりも多く、お客様、取引先様、そしてメンバーがご縁を繋いでくれる機会がありました。毎日・毎月のことではありますが、やはりこういうご縁は有難いと感謝しています。
五つ目は採用です。
ここで新たなメンバーを採用することが出来ました。詳細は別記しますが、年内5人へ向けて、そして事務所の今後の発展のために期待できる人が加わってくれることになります。
そして、最後は「理念を貫く決意」でした。
独立してから経営理念、経営理念…と言い続けたせいか、周りの方もうちの事務所の経営理念を覚えてくださってきていて…そしてそれを元に当事務所を見た時に、理念通りの事務所であることを評価して頂き、そして信頼して頂くことが出来ています。
私にとってこの事務所の経営理念は、綺麗なことをいって共感を得るための「言葉」ではなく、私も含めた当事務所で働くメンバーがお客様に提供する価値を言語化したものであり、お客様への約束です。
そして、メンバーにとっては目指すべき指針であり、多様性を認める当事務所が唯一全員が共通で持つ価値観です。さらに言えば、これが将来的には事務所の共通言語にさえなると思っています。(そうしたいと思っています)
これを貫くことがメンバーが迷うことなく前に進む指針を示すことであり、お客様に安心・信頼して当事務所を頼って頂くことが出来ます。
だからこそ、私はこの事務所の代表としてこの理念を実現する責務を負っていると感じ、これを貫く決意を新たにしたのでした。
開業1年に向けて
ここまで書いて「まだ半年か…」と改めて感じました。笑
この事務所は私が一人で始めた事務所でした。
開業したあの日、経営理念を掲げなければ、一人でやることにして採用なんてしなければ、絆など重視せず自分の知識とスキルのみで働くことを選べば…きっと今と全く違う今があったはずです。
今、半年という時間を振り返ると、チャレンジングなことも色々しましたが、何一つ後悔することなく、常に良い方向へ事務所を発展させることが出来ました。
これは私一人ではできなかったと断言が出来ます。
だから、この事務所の発展を私が誇るのは、私が「自分がすごい」と思って言っているのではなく、「私と一緒に歩んでくれる皆さまが、本当に、ほんとうに素晴らしいから、この素晴らしい人たちのおかげでこうなれた」と感じているから、私はこの人たちと創れるこの事務所を誇りたいと思っています。
これが開業して半年経った今の私の気持ちです。
枝葉は季節や時によって変わることはあっても、幹や根っこのような根幹の部分はそうそう変わりません。
これから次の半年を経て、開業1年を目指していきますが、この根幹となる気持ちをベースに、1日ずつ、1ヶ月ずつ、また新しいステラリンクス税理士事務所をお見せできるように関わってくださる皆さんと一緒に歩んでいきたいと思います。
これまでのご協力を得て、今日という日を迎えられた感謝を胸に。