メンバーの一人が産休に入りました
今月半ば、メンバーの一人が無事に産休を迎えることが出来ました。
母子ともに健康という報告を受けて私も嬉しく思っています。
女性の輝ける社会が求められている中でまだまだ産休育休が取れない・産休育休が取りづらい、そういう声も多く聞かれます。そのため、産休が気兼ねなく取れて、そして復帰しやすい、復帰しても輝いて仕事が出来る、そういう職場であるかは重要だと思っているので、創業間もない事務所ではありますが、その基盤は作ってきたつもりです。
今回のメンバーの産休までの歩みとそれに対して事務所として行ってきたことをご紹介したいと思います。
初の妊婦さんの採用
開業半年余の事務所で産休に入るメンバーがいると言うと驚かれますが、それもそのはず、このメンバーは妊娠8ヶ月の時に面接にいらっしゃいました。
ですので、元々働いていたメンバーが妊娠して産休に入ったのではなくて、妊婦さんを採用したのです。
その経緯などは当時の記事に書かせて頂きましたので、よかったらご覧ください。
今回はこのメンバーの採用後からの事務所としての取り組みを少しだけご紹介したいと思います。
待遇面の検討
出産、産休、育休に関しては国としてもいくつかの後押しをしています。
中には事業主が受けられる助成金などがありますが、今回私が検討したのはメンバーの側の話です。
採用時点でどのような待遇にすることが他のメンバーとの均衡を保った上で、このメンバー(もしくは今のメンバーが産休などを取りたいとなった時)に働きやすく、そしてこのメンバー自身が国の施策を最大限活用できるか?をしっかりと検討しました。
その上で、本人が希望する以上の条件を見つけることができたので、その条件で入社して頂くことになりました。
完全在宅での勤務
メンバーの気遣いもあり、なるべく出社するとは言ってくれたのですが…ご自宅が遠方であることもあり、もし出社してもらうとしたら毎日数時間の電車通勤を妊婦さんに強いることになります。
それが母子への健康上のリスクを上げてしまうことや、通勤時または勤務中に体調の急変があった場合はご自宅にいるよりも対処の遅れを招いてしまうリスクを抱えることになります。
また、採用時は感染者は少なくなっていたとはいえ、通勤していればコロナ罹患のリスクも当然増えます。
私はそれが嫌でした。
「母子の健康について事務所として出来ることは少ないからご自身の健康はご自身で管理してください」とお伝えはしつつも、その少ない「出来ること」はきちんとやるべきだと考えました。
その一つが通勤時間をなくすことでした。
業務面への配慮
体調の急変含め、いつでも休めるように業務面についてはいつでも巻き取れる体制を取っていました。
具体的には既存メンバーと一緒に業務を行うことで付いているメンバーがどこまで進捗したのかを把握しているため、極端な話「明日から休まなければいけなくなりました」と言われても大丈夫な状態を常に作っていました。
各所ヒアリングと情報収集
ここまでが入社前に決めていたことで、ここから妊婦さんを採用するとなった時点から北島は実際に産休を取って復帰した方、産前産後でキャリアに悩まれたことがある方、産休育休が取りづらかった方に十数名にヒアリングを直接行い、中には「イクメンスピーチ甲子園」優勝夫婦を始めとした子育てをしながらも夫婦共働きをうまくやっているご家庭などに成功例をヒアリングさせて頂くなど、様々な情報収集を行いました。
そこから、以下のことを更に実行しました。
産休育休から戻ってきやすい環境
ヒアリングしていく中で産休育休の問題点として「産休育休を取らせてくれない」という会社はもちろんのこと「産休育休を取ると他の社員に迷惑をかけてしまう」という気持ちになる方や、「産休育休から復帰した際に引き続きやりがいをもって仕事が出来るか不安(または産休育休から明けたら左遷されたような話も聞きました)」という声を聞くことができ、この不安を取り除く必要があると感じました。
この「迷惑をかけてしまう」という点については当事務所の採用、そして人員がもともと先行採用型で、一人抜けても業務は回るようになっており、全員がそれくらいの業務キャパで仕事を回しているため、「自分が抜けても他の人が残業するわけではない」状態を入社時点から確保しており、それを伝えることで払拭に努めました。
次に「復帰後のキャリア」について産休前から伝えておくことで「戻ってきた後の自分」をイメージしやすいようにすること、戻ってきても輝ける仕事を確保できているという安心感を与えるようにしました。
産休をみんなでお祝いしました
ベビーシャワーというほどのパーティー感はないささやかなものでしたが、メンバーが無事に産休に入れることをみんなでお祝いしました。
色んな人にヒアリングした結果「1人目がとにかく大変だった」「寝かしつけがとにかく大変」という声を聞いて、その中で「これをやったら寝かしつけがうまくいった」「これは絶対出産前に読んだ方がいい」というものをいくつか教えてもらい、そのグッズや書籍をメンバーにプレゼントさせてもらいました。
また、他のメンバーからもこのメンバーの出産と復帰を楽しみにしている気持ちをシェアするために寄せ書きをしてお渡ししました。
「ホワイトな事務所だね」
この一連の取り組みをメンバーがご家庭内で話したところご主人から「ホワイトな事務所で働けているね」と喜んで頂けたそうでした。
男女問わずですが、どちらかが家庭を両立しづらい環境で働いているとそのしわ寄せはもう一方、ひいてはお子様に及ぶことになります。
そうなると仕事と家庭の両立からは程遠い状態になってしまいますし、パートナーの理解が得づらくなってしまいます。そうなると働くこと自体ももちろん、その職場でキャリアを築く・キャリアアップをすることへの心理的ハードルが上がってしまいますし、キャリアアップしようというモチベーションが失われてしまいます。
先の「女性が輝ける社会」「復帰しても働きやすい職場」が何かを考えたときに本人もパートナーもうちの事務所で働くことに肯定的であることは重要だと思っています。
だから、今回産前とはいえ、このメンバーがパートナーからこう言ってもらえたことは私としても本当に嬉しいことでした。
また、事務所としてこのメンバーだけでなく今いるメンバー・今後入ってくるメンバーが「この事務所で結婚・妊娠・出産を経てもキャリアを築ける」という思える礎を作れたことに一つの安堵もありました。
「働くことは楽しい」を産休育休を経ても思える事務所づくりにこれからも邁進したいと思います。